一学期目、無事終了
一学期目の最終試験が、5月上旬にありました。恐怖の国際法の試験は、オープンブック(本持ち込み可)のテイクホーム(どこででも試験を受けられる)で、6時間(夕方4時から夜の10時まで)。所定の場所にアクセスして問題をダウンロードし、10時までにメールで解答を出す、というものです。先学期までは8時間だったそうなので、それに比べればまだましとのこと。。。
事前に出されていた練習問題では、アフガニスタンでの米国の武力行使について合法性を問われたので、本番ではイラクでの武力行使についてでは、という大方の学生の読みははずれ、実際の問題では、アブグレイブ収容所虐待の責任追及と、インド・パキスタンの核使用と武力行使のシナリオについて、などなどでした。その日の夜は、試験が終わった後も、はりついめていた集中力や緊張がなかなか解けず、眠れませんでした。思い出に残る試験となりそうです。
国際法やManaging UN Systemの授業では、時節柄、よく国連改革や安保理改革がとりあげられ、とりざたされていた日中関係や、ドイツでの終戦60周年記念式典などについて、唯一の日本人受講生として、意見を求められる機会が頻繁にありました。個人的には、大国ではなく途上国の意見を代表して、UNの申し子?の東ティモールや、アフリカの普通の国を代表してガーナが、常任入りしたらいいのに、と真面目に思っているので、こんな非国民にきかないで~、というのが本音でした。
中でも、オランダ人老教師(UNDPで長年働き、Mozanbique PKO の DSRSG を務め、Managing UN System、Managing Complex Emergency、そしてドイツでの研修顧問)が、最後の授業で、私の顔をちらちら見ながら、教室で話した言葉が胸にささり、深く印象に残っています。 先日の米国連次席大使のSIPAでの講演(これも日本人の学生をみかけなかった。みんなどこにいたのよー。)で、安保理改革について米国は日本の常任入りは支持するけれどもドイツは支持しないと発言したことと、中国の反応に対してだった。
「人は、過去を忘れないものだから。私も、大戦中だった子供の頃、両親から、ドイツと日本は残虐な国民で酷いことをしている、戦争は繰り返してはならない、と聞かされて育ったのを、今でも覚えている。私は、日本は二つの原爆で終戦を迎えて生まれ変わり、涙ぐましい経済発展と国際貢献への努力をへて、ドイツと同じように戦時行為を深く反省しているものだと思っていた。長い60年がたち敗戦から立ち直り、これだけ多くの優秀な人材を米国に送り込んでくるまでになった今こそ、戦勝国も敗戦国もなく安保理が改革される機が熟したと思っていた。が、中国の反応や日本をよく見てみると、60年たった今でも、いまだ、東アジアでは大戦のreconciliationが済んでいないようだ。和解と統合が進むヨーロッパの一方で、アジアは未解決の問題が積まれたままだ。東アジアの安全保障問題が、今回の国連改革の肩にかかっている。大切なのは、人は、どんなに時間がたっても、過去を忘れないものだ、ということだ。人でも国でも、相手が心から過ちを反省していなければ、反発はさけられない。ドイツと日本では、歴史に向き合う態度の差が、比較にならない。この一学期間で勉強してきたように国連改革は喫緊の問題だというのに、一部の大国の政治的利害で、改革全体が頓挫されるのは勘弁してほしい。」
要するに結局はまた、国連など、大国の政治ゲームに操られる、風の前の塵に等しい。
と、老教師の背中が伝えていた。最後の授業がそうして締めくくられた後は、いつも仲良く話す同級生たちからも冷たい視線を浴び、なんとも孤独でした。言いたいことは山のようにあった。第一、そんなふうに授業の中で、学生に対してちらちらと古いracism?を持ち出さないでほしい、別に私だって、好きこのんで日本人でいるわけじゃないし、私香港生まれだし(だから何でしょう。)、常任入りに賛同しているわけでもない、大体なんで、この授業日本人私だけなんだろう、中国や台湾、韓国の学生もいるのに、常任入りしたいとかいって誰もやる気なんてないじゃない、みんなも少しは考えたら、などなど、ぶつぶつと思いました。
不満を解消するため、ここでshareすることにしました。
あなたなら国際社会でのこんな批判に、なんて答えますか。
…な~んて、ね。とにかく、コロンビア大・SIPAでの初学期は、印象に残る授業の数々に溢れ、こうして幕を閉じました。先生とは、その後メールでやりとりをし、教室でうまく発言できなかった自分の意見を述べて、reconciliationをしたつもりです。本当は、きちんと授業で発言できなければいかんのですが。
来学期も、これくらいおもしろいといいのですが、そうはいかないようです。…統計、経済。;; 本当にやっていけるのかしら…。
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