さて。6日から授業が始まりました。夏(休み気分)が終わってしまったので、今回は、大学と授業について。こうして勉強できるのは、日本政府と世銀の共同奨学金制度、Joint Japan/World Bank Scholarshipのおかげということで、ご報告がてらです。。日本人枠レギュラー・プログラムを通して、学費全額の他、生活費の約2/3の支給を受けています。感謝してもしきれませぬ。
在学するSIPA(School of International and Public Affaris: 国際公共政策大学院)は、Columbia University のなかにある二年制の大学院。60年代初期にCIAが建てたという、古いのっぺらなビルが校舎。これには、がっかりする生徒も多いが、外見はともかく、国際関係学修士(MIA:Master of International Affairs)と、公共政策学修士(MPA:Master of Public Affairs)という、2種類の学位が提供されている。
国際関係と公共政策の2つのコースには、それぞれConcentrationと呼ばれる専門分野が用意されている。国際関係から、開発、経済、金融、エネルギー、安全保障、人権、メディア。公共政策からは、マネジメント、政策分析、都市政策、社会政策。どちらのコースに所属していても、学生は自分の興味や職務に合わせて、どちらの専門でも自由に選んだり、デザインすることもできる。専門とは別に、国連研究、紛争解決、人道援助の3つのプログラムもある。SIPA内に限らず、ビジネス・スクール、ロー・スクール、ジャーナリズム学院、教育学院、公衆衛生学院、ソーシャル・ワークなどの、各スクールが提供するクラスを、組み合わせて履修できる。細かい話になれば学生の文句や不満はつきものだが、基本的には自分の専門性に沿って、1000以上のopen classの中から授業を選べるのが、SIPAの魅力のひとつだ。
日本では大学院というと研究というイメージがあるかもしれないが、SIPAは、ビジネス・スクールなどと同様、Professional Schoolと呼ばれるタイプ。職業訓練が主な目的で、卒業後に職場で使えるスキルを学ぶ。修士論文はなく、経済と統計の他、インターンやワークショップが必須科目になっている。ワークショップは人気科目のひとつ。開発や公共政策のワークショップでは、実社会のクライアントの要請に学生がこたえる形で、NYやフィールドで、リサーチやプロジェクト・プロポーザル作成などを、主に行う。SIPAの目玉科目のひとつでもある。
学生数は、学部全体で900人あまり、と大規模。うち留学生が5割を占め、100カ国以上から来ている。通常とおり秋から始める学生は、MIA 315人とMPA 105人。私のように1月から始めた春入学生は、約50人で、うちMPAの春入学生にいたっては、15人程。私の場合は、9月からイギリスの大学院に行く予定だったが、奨学金を貰えることがわかってから、初めてSIPAを受けたので、春になってしまった。コースの履修に中途半端なだけで、特に何の違いもないが、二回インターンやサマーコース履修のチャンスがある、といえばある。
学生の平均年齢は約27歳。主に国際関係を学ぶため、生徒のバックグラウンドは多国籍なだけでなく、多様。公務員、金融関係、メディア、NGO、Peace Corpなど、まことに雑多。元軍人や警官もいる。米国の学生が半数を占めるが、留学生は、世界中、ロシア・東欧、中南米、アジア、アフリカから集まっている。思ったよりも、アフリカからの学生が少なかったのが残念だった。でも皆、各地を飛び回ってきた、もしくは各地を飛び回っていく人が多いので、私は仲間を見つけられた気になれて、嬉しい。
SIPAの強みは、何よりもその立地。金融、メディア、国際政治の舞台であるNYにあり、特に国連とのネットワークが強い。授業とは別に、NYを出入りする研究者、実務家、フィールド・ワーカー、専門家などを招いた、BBL(ブラウン・バッグ・ランチ)や講演会、試写会が、年賀ら年中、校内で開かれる。数年前より、毎年9月には、国連総会に訪れる各国首脳を招いたWorld Leaders Forumも、SIPA主催で開催されている。Jeffery Sachs教授がhost役となって、今年はGlobal Developmentをテーマに行われ、イラクのタラバニ新大統領をはじめ、パキスタンのムシャラフ大統領、インドネシアのユドヨノ大統領、ルワンダ・カガメ大統領ほか、シェラレオネ・カバー大統領、フィンランド、ポーランド、グルジア、セルビア…から、各国首脳が立ち寄るらしい。国際ニュースをやっていた私にとって、ブラウン管ではなく一人でも本物が見られるなんて、ゾクゾクしてしまう。楽しみ。
しかし、本業は勉強…。目下のところ頭を痛めている、肝心の今学期の履修授業について。
私自身は、大学時代に(学部レベルでしかないが)国際関係と開発について学んだので、さんざ迷った末、大学院では公共政策を選んだ。もともとは、ガーナと東ティモールでの経験を踏まえ、紛争後に荒廃した社会をいかに立て直していくか、東ティモールの国造りと平和構築の経験を、特に紛争後の西アフリカ諸国(リベリアやシェラレオネ、スーダンなど)やアフガニスタン、イラクなどに、どう応用できるか、ということについて学びたいと思って、最終的にSIPAを選んでここに来た。平和構築における民主化と人間の安全保障(Human Security)を常に念頭におきながら、試行錯誤しつつ授業を選んでいる。MPAの必須授業の中で Democratic Governanceについて学ぶ一方で、専門の安全保障と国際人権で知識を身につけたいと考えているが、まあとにもかくにも、現在も試行錯誤中である。
とはいえ、私の今学期は、MPAの必須授業4クラスを履修しなくてはならず、実は選択の余地もあまりない。どれも、講義形式の授業に加え、ラボやディスカッションなどの付属授業がついているので、これからは、Group Work に追われる毎日になりそうだ。
Sunday, September 11, 2005
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